寿屋　偉大なる祖母

寿屋、でした。

 

四半世紀以上昔ですが、今も寿屋のフレーズはよく飛び交います。

私の祖母が当店のこの地で三十年前まで続けていたたばこ屋、なんでも屋が皆さんご存じ？寿屋です。

 

私のいとこ（祖母からしたら同じ孫）が素敵なマダムと一緒に来店してくれ、当店のあるこの地の歴史を話してくれていました。いとこは大変お顔が広いので、来店してくれた時にたまたま一緒になるお客様は大抵知り合いです。恐るべし。

 

寿屋を営んでいた祖母の伝説は話を盛っているにしても大変面白いです。とにかく働き者でしたので、365日店を閉めることなく毎日朝6時近くから夜21時か22時頃までシャッターは開いていました。

開いてはいましたが、近くの庭いじりに植木のお手入れによく店を違う意味で空けるので、セルフ販売になっていました。常連さんにはいつものことでした。

 

また無類の綺麗好きでしたので、泥などの付いた靴での入店は拒否。お店なのに「入ってくるな。」と言っていました。ガラス戸は綺麗に掃除し過ぎて、開いていると思って顔をぶつける方が続出と。これは盛っている話のような気がします。

 

私の記憶ではご近所の間で「山の神」と呼ばれていました。お客様商売なのに誰彼構わず厳しく、いとこはよく怒られたと話していました。

 

そんな祖母が亡くなって三十年後、孫である私がこの同じ場所で同じお客様商売として店舗を構えているのは幸せなことです。育ってきた環境のせいか、お店を創めることに何の抵抗もなく、ここにいる気がします。祖母に感謝でしょうか。ありがとう。

 

寿屋に昔馴染みのある方々、今の当店へいらして下さい。おばあちゃんの愉快な伝説話、一緒にいたしましょう。